1-1.どこの水を使っているの?
ねえ、カメキチ先生。
ぼくたちがいつも飲んでいる水道の水は、どこから来ているの?
ちくま川?それともダムの水を使っているの?
クマタくん、多分ちくま川だと思うよ。だってあんなにたくさんのお水が流れているし。
先生、そうよねえ?
ハハハ、ラビ子ちゃん、クマタくん、さくすいどうの水はね、山からわき出ている水や、深い井戸(いど)から取った地下水(ちかすい)を使っているんだ。
この写真(しゃしん)は佐久穂町(さくほまち)の大石水源地(おおいしすいげんち)だ。水源というのは、水を取る場所のことだね。
八ヶ岳(やつがたけ)に降った雨や雪が地下にしみて、長い年月(ねんげつ)をかけてこの大石水源地にわき出してくるんだ。
今は落ち葉などが入らないようにコンクリートにおおわれているけど、昔はこの岩と岩の間から水がわき出てくるのを見ることができたんだよ。
ほうら、岩に耳を近づけると聞こえるよ。水が静かに流れる音が…。
1-2.でも、水源は川やダムの水だって教科書には書いてあったけど?
へぇー、そうなんだ・・・アレ?
おかしいなあ。教科書には、水道のお水は川やダムからのお水を使っているって書いてあったんだけど・・・。
ウ~ン、そうだねえ。
川やみずうみ、ダム、わき水や地下水など、どこからの水を使うかは、住んでいる場所によっても違うんだ。
もちろん、川やダムのお水を使っているところもたくさんあるけれど、さくすいどうの水はわき水や地下水で足りているので、川やダムの水は使っていないんだよ。
1-3.どうやって水を取っているの?
へえ~。そうなんだあ。
でも井戸から地下水をくみあげるのって大変そうだよね。おおきなバケツを使うのかなあ?それでもたくさんの水をくみ上げなきゃいけないから、いそがしいよね?
イヤイヤ、クマタくん、そうじゃないんだよ。
井戸からの地下水は大きなポンプを使ってくみ上げるんだ。それとわき水は、集水井(しゅうすいせい)で集められる。こうやって集められた水は、配水池(はいすいち)に送られるんだよ。
右の写真は大石水源地だけど、あちこちで、少しずつ湧き出た水が集まって、こんなに大きな流れになるんだ。
ちなみにこの大石水源地からは一日で4,200立方メートルもの水を取ることができるんだよ。
1-4.水は使いすぎてもなくなることはないの?
なーるほど。井戸からはポンプを使って一度にたくさんくみ上げているのね。
それでも、たとえばあつい夏の日にみんながたくさんお水を使ったら、井戸のお水はなくなってしまうの?
さくすいどうでは、ほうふなわき水や、あんていして取水(しゅすい)できる地下水を水源としているので、なくなるということは、ほとんどないんだよ。
左の写真は、たくさんあるさくすいどうの配水池の中で一番大きな田口配水池。5,000立方メートル(2リットルのペットボトル250万本分)の水がこの中に貯(た)められているんだ。
でも、大都市(だいとし)などでは、雨があまり降らない年や、あつい夏の日などは、ダムに貯めてあった水がなくなってしまって、給水(きゅうすい)制限(せいげん)をしているなんてニュースをみんなも聞いたことがあるよね?
水は限りあるしげんだから、使いすぎればいずれはなくなってしまうんだ。だから無駄(むだ)にしないよう大切に使おうね。